借金

・地獄の入り口 19歳の時に引っ越したんです。 それまで住んでいたところはかなりの田舎で、小さなパン屋とクリーニング屋があるだけの団地だったのですが、いきなり駅近くのど真ん中へ。 新居の近くには、当時満員御礼のパチンコ屋がありました。 存在は知っているものの経験は無く、どんなものかと試しに打ってみたのが地獄の始まりでした。 数時間後、店を出た後には財布の中にはなんと元金+4万円。 いわゆるビギナーズラックですね。 この一瞬で大金が手に入る感覚が、まともな金銭感覚を完全に奪いました。 ・借金開始 勿論勝ち続けるわけもなく、当時二十歳にもなっていなかった人間の金がそこまで続くわけもなく。 親に借金を頼み、打ちに行くようになりました。 この頃既に金銭感覚は破壊されており、1万円の価値は紙屑状態。 何せ当たれば1万円なんて、15分程度で出てしまうのです。 当たれば…ね。 ちなみに、友人との付き合いはこの頃皆無でした。 誰かと遊んでいる暇があったら、パチンコ屋に走っていたのです。 ・ギャンブル人間が陥る最低の思考 勝つ日は大きいものですが、もう慣れてきた頃には次の勝負への資金確保が最優先でした。 3万円借金して財布の中が5万円になったとすると、返済して残る金額は2万円。 この2万円では、次の勝負の予算としては足りないのです。 なので、3万円を返済するにはせめて6万円は勝たないと返せないと思うようになりました。 借りている立場だというのに、何様なんでしょうか。 そしてこの頃はもう友人からの連絡は無く、完全に友人を失いました。 パチンコを理由に断る人間に、誘いが来るはずがありません。 ・そして金策へ走る 勝っても自分勝手にまだ返せないと決め付け、そして負けたらまた借りる。 当然ですが、親からもこれ以上は出さないと宣言されました。 親に借りれないなら消費者金融、当時はまだ法律も緩かった為20歳でも小額の借金は可能でした。 しかし勝てているのであれば、そもそも借金をする必要は無い訳で。 負けては借り、借りたお金は負けて返せないという自業自得の事態に陥りました。 手元にお金は無いのに返済期限は迫り、何かしらの手段で用意しなければならない。 普通に考えて、ここはもうパチンコから縁を切って仕事に精を出すべきです。 しかしギャンブル思考に染まった私は相変わらず最低で、最初の資金さえあればそれが大金を生むんだと思い込んでいました。 ならば物を売るしかないと考え、部屋にあった売却可能なものはとにかく売りに出しました。 ・成れの果て そんな事を繰り返し、ついに完全にパチンコを打つことが金銭的に不可能になった頃。 残ったものは借金だけでした。 部屋から趣味と呼べるような物は消え、友人の居ない携帯電話は鳴る事もない。 そして返済を優先して打てない日々が1年を経過した頃、パチンコへの興味は消えていました。 むしろ何故自分は、あんなものに全てを賭けてしまったのかと涙が出てきました。 自分で止まる事はできず、ここまできてようやく止まれたのです。 借金をする理由は色々あるでしょう、止むを得ないこともあります。 しかし私の場合は、明らかにする必要が無かった借金です。 これだけはいけません。 自分から借金をする原因を作り出した、自業自得のパターンです。 ギャンブルが悪いとは言いませんが、私のように自制心の無い人間は辞めておいた方が無難です。 何もかも無くしてから気付いても、残るのは後悔だけです。 これを読んだ方が、こうはなるまいと思っていただければ幸いです。

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